Ripple2
Project by: ©Studio Curanzio
Collaborators: CG by ©2014-2021 massimociani.com – Project by ©Studio Curanzio
Date: 2019
Project location: 大阪府
住まいにこの「Ripples波紋」を応用出来ないか考えてみた。単なる波紋を使った空間のデザインということではなく、家族という生活単位の中で、常に静止した水面のようなフラットな状況(常に何事もない)はあり得ないし、日々の生活は予想外の出来事の連続でもある。それは何かトラブルが起きてそれが広がっていくというような負の解釈ではなく、家族という最小単位の日常生活において、言葉や心が共鳴し、響き合うことで生まれる信頼感・絆・愛情などを、計画する住まいという空間で構築出来ないものなのかということであり、常にどこかに家族の存在を感じられる空間、姿が見えなくとも気配が感じられれば、繰り返す波紋のように互いの居場所を知ることが出来る、ある意味共鳴し合う空間であり、集まったり、離れたりしながら互いに成長を続けられる住まいの計画なのである。
道路側に面した空間は大きく緩やかな弧を描いている。それは波紋の一部を切り取ったものだが、同心円によるいくつかの曲線は視界を遮ることなく立体的な空間を作り出していく。2層吹き抜けとなった空間には個々の空間をつなぐ空中歩廊が設けられているが、ガラスの手すりを多用することで視界性を確保しながら、その間に設けれられたいくつかの領域は緩やかな境界線を形成しながらも断絶することなく、水のようにつながっている。プライバシーを確保したハイサイドライトより陽の光が差し込み、陰影が空間にゆらゆらとした揺らぎを作り出し、静かで満ち足りた時間の経過が生まれるのである。