Art gallery in Kyoto
Project by: ©Studio Curanzio
Collaborators: CG by ©2014-2021 massimociani.com – Project by ©Studio Curanzio
Date: 2019
Project location: 京都府
京都の生活美は大通りから横に入った「露地」にあるように思う。そこには生活の匂いはあるが、質素ながらも洗練された美しさがある。また、「露地」は茶庭ともいい、茶室に付随する庭園の通称でもある。「露地」は敷地の限られた狭い京町屋において発達したと考えられ、こうした町家は間口のほとんどを店舗にとられていたため、「通り庭」と呼ばれる細長い庭園が発達してきたが、さらに茶室へつながる通路、「路地」が別に作られるようになった。
南の後退距離1.5mの隙間は隣接する施主の住まいとの境界にあり、互いの後退距離を考えた時、まさしく京都らしい「露地・路地」を生み出す可能性を秘めている。その手法の一つとして、日本では「間合いと呼ばれる時間」や「余白という何も無い空間」を大切に考える。住まいにおいてもそれは大切な要素で、合理的な観点からいえばある意味「無駄」であるように見るが、茶道や生け花、日本料理などに通じる日本の空間美学の具現化の象徴でもある。