嵯峨嵐山プロジェクト
Project by: ©Studio Curanzio
Collaborators: CG by ©2014-2021 massimociani.com – Project by ©Studio Curanzio
Date: 2019
Project location: 京都府
水は静止した状態よりも動く(流れる)ことにより、生き物を育て、そして人々に命や生活、安息(安らぎ)を与えてくれる。安らぎは流れる水が作る文様であり、光と遊ぶことで出来る「きらめき」や「移ろい」であったりする。風が吹けば静かに波紋を作り、また高低差があることによって生まれるせせらぎの音など水には「ゆらぎ」が溢れている。「ゆらぎ」はご承知のようにそよ風・ゆらゆらと揺れる炎・木漏れ日など自然が作り出す「心地よさ」であり、「ストレスフリー」の空間を作りだすことが可能で、また京都らしい素材であると思う。洗練された庭の風景(枯山水を別にすれば)には水が不可欠であり、京都を代表するいくつかの河川は計算され配置された樹木により、四季の彩が訪れる人々を驚嘆させる。それは京都の人々の美意識でもあると思うし、「京都らしさ」の一つではないだろうか。
この穏やかにさらさらと流れる地下から湧き出る水が、このプロジェクト計画地内を巡り、周辺に広がる嵐山・鳥ヶ岳・愛宕山・高雄山などを窓辺の遠景にし、隣接地に作られた庭園と組み合わされ、何処にも存在しない「満たされた環境」が構築される。水はただ流れるだけではなく、そこに住まう人々にあらゆる情景を作り出し、美を求める人々の永遠のモチーフとして存在する。